田村英里子 ゴールデン☆ベスト
東芝EMI(TOCT-10914)
\1980
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2003.6.25発売

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・シングルA面全曲収録

・デジタルリマスタリング

・ブックレットの「プロセス」クレジット(作曲:筒美京平)となっているのは誤り、正しくは以下の通り

・全10曲京平作品による1stアルバム『May Be Dream』が紙ジャケ仕様で復刻予定だったにもかかわらず発売中止になってしまった……。不可解極まりない!


 「東京イエローページ」という80年代の終わりにやってたTBSの深夜番組がありまして。当時、歌番組がどんどんなくなってく中、アイドルにとっては持ち歌を披露出来る貴重な番組になってました。竹中直人にマジギレするきたろうとか見所はいろいろあったけど、レギュラーのアイドル7人がPage7として毎週いろんな曲を歌うコーナーが何より楽しみでした。

 けど、最近スカパーで見直して愕然……。こいつらヒドいわ……。Page7の面子に限らず、ゲストで歌いに来る新人の多くに共通してるのは、歌唱力云々の前に歌うことの使命を感じてないし、表現としての音楽的要素が欠落してること。相川恵理、花島優子、島崎和歌子、千堂あきほあたりの歌に向き合う態度は殆ど暴力。“小さい頃から歌を歌うことが大好きでした”的な興味さえ持ち合わせてないのじゃないか? もしくは妙にカラオケ擦れしたタイプも多くて、例えば里中茶美の嫌味な弾けっぷりが不快だったり(イライラ)。
 当時、アイドルポップスに限らず日本のポップス全体が行き詰まりを見せた不幸なときではあった。でも“アイドル冬の時代”なんて言っても、そうなってしまうのもやむを得ない内からの崩壊が招いた状況だったのではないか……?

 もちろん例外も少なからずいて、細川=ナヴィ=直美は後のCMを予見させるマージナルな挙動が新しかったし、山中すみかの音楽への希求は神々しさに溢れていた。アイドルポップスの正統的歌唱の担い手としては田村英里子が希望の星だったよね。彼女が登場したときは、声量やテクニックもさることながら情感の込め方にサンミュージックの先輩・松田聖子ゆずりの歌唱センスを見つけて感動したものでした。

 デビュー曲「ロコモーション・ドリーム」は筒美京平と、90年代の音楽シーンで一躍名を成すことになる小林武史がタッグを組んだ作品。打ち込みとはいっても当時流行のハイエナジーなものとは一線を画す、小林らしい過不足ないスクエアな仕上がり。「好きよ」は作詞に松本隆を向かえた強力な布陣。松本の書く強気な女の子像が聖子ゆずりで微笑ましい。「半分少女」に通じるどこか懐かしい珠玉の京平メロディーに心がうち震える89年のベストシングル! 「真剣」は前年の「MUGO・ん…色っぽい」を意識したと思われ、敢えてマイナーアップテンポの下世話な作風に挑んだ勝負作。工藤静香が嫌いなので当時はなんか嫌だったけど、今となっては楽しく聴けます。

 かように、田村英里子は京平作品を歌った80年代最後の新人アイドルとなったわけだけど、以降の展開もなかなか充実してました。「Domino」の作曲は元オフコース・鈴木康博という意外な人選。ヨーロピアンなマイナーメロディーがサビでメジャーに弾けて鮮やかな印象を残す佳曲。次の「リバーシブル」も主人公の複雑な感情の推移と7th、9thコードを多用した旋律がリンクして、聴いてるとたまらなくなる名曲。この曲の田村英里子の歌唱も絶品だし。勝因はまだブレイク前だった平松愛理を起用したこと。彼女の作品ってアイドルへの優しい眼差しが感じられるし、竹内まりや・尾崎亜美に続くアイドルポップスの有能な作家として活躍してくれると思ったんだけどな……。

 ナイアガラ人脈3人による「リトル・ダーリン」は心温まる素直なロックンロール。「まかせて!チン・トン・シャン」は愉快な馬飼野流ポンポコリン。90's英ギターロックサウンドにエスニック風味をまぶした井上ヨシマサのアレンジが特異な「最後に教えて」も忘れ難い名曲。


01. ロコモーション・ドリーム
(作詞:田口俊/作曲:筒美京平/編曲:小林武史)
02. 涙の半分(作詞:田口俊/作曲:筒美京平/編曲:小林武史)
03. 好きよ(作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀)
04. 真剣(作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:新川博)
05. プロセス(作詞:尾関昌也/作曲:佐藤健/編曲:武部聡志)
06. Domino(作詞:平松愛理/作曲:鈴木康博/編曲:萩田光雄)
07. リバーシブル(作詞・作曲:平松愛理/編曲:井上鑑)
08. 虹色の涙(作詞:鈴里風太/作曲・編曲:織田哲郎)
09. リトル・ダーリン(作詞:松本隆/作曲:平井夏美/編曲:井上鑑)
10. 愛のナイチンゲール(作詞:松本隆/作曲:山口美央子/編曲:井上鑑)
11. まかせて!チン・トン・シャン(作詞:中田有博/作曲・編曲:馬飼野康二)
12. 誘惑のチャチャ(作詞:森雪之丞/作曲:辻畑鉄也/編曲:萩田光雄)
13. 最後に教えて(作詞:三浦徳子/作曲・編曲:井上ヨシマサ)
14. すてきな雨(作詞:岩里祐穂/作曲:上田知華/編曲:清水信之)
15. 人魚のTシャツ
(作詞:康珍化/作曲:JOEY CARBONE-DENNIS BELFIELD/編曲:JOEY CARBONE
16. Kara Kara天気
(作詞:芹沢類/作曲:JOEY CARBONE-DENNIS BELFIELD/編曲:JOEY CARBONE
17. 明日の行方
(作詞:田村英里子/作曲:DENNIS BELFIELD/編曲:JOEY CARBONE)
18. 悲しみでは終わらない
(作詞:松井五郎/作曲:玉置浩二/編曲:武部聡志)
19. 寂しさに壊されても
(作詞:田村英里子/作曲:浅田直/編曲:見良津健雄)