泉アキ ゴールデン☆ベスト
クラウン(CRCN-20314)
\1980
12.2更新
Amazon.co.jpで買う
2004.8.25発売

Amazon.co.jpで買う

・レーベルを超えて収録された泉アキ初のベストCD

・#9〜#16:テイチク音源協力

・解説:鈴木啓之

・監修:高 護


 カッコいいジャケだ!
 左手は親指を突き出し、右手を腰に当てた挑発的なポーズにドキッとさせられる。これは、デビュー曲「恋はハートで」のジャケットから。ここで履いてるストッキングの意味不明な縞々が背景にまで拡大・引用され、絵にスピード感すら漂っている。ブルーとショッキングピンクのコントラストは、鮮烈でいながらクール。そして、名前の文字のデッカイこと! 天地は既に切れていて、はみ出さんばかりにその名を主張している……。泉アキのカッコよさ、彼女ならではのインパクトを見事に物語るデザインではないか。

 そうなのだ。泉アキを「独占女の60分」の女レポーターとしか思ってない輩は猛省を! 彼女こそ“ひとりGS”の代名詞であり、ハーフ歌手のさきがけでもあり、おまけに、元祖トランジスタグラマー(死語ですか?)というべき存在なのだ……。確かにひとりGSとしての実績は、黛ジュンの方に分があるといえよう。でもその音楽世界は「夕月」や「雲にのりたい」といった曲も含めて支持されており、<黛ジュン=ひとりGS>と言い切るのには無理があるのも事実。しかしながら、泉アキはどこをきっても、ひとりGS。ひとりGSというジャンルがあるとすれば、泉アキこそその女王だと思う。

 GS全盛の1967年11月発売「恋はハートで/燃える年頃」は、「赤く赤くハートが」が一部で有名なパンクGSバンドのレインジャーズを携えての登場。同年5月「真っ赤な太陽」において美空ひばりがブルコメと組むのなら、泉アキにはレインジャーズというカルト同士の符号だ。この時点で既に、パワー全開&暴走気味の歌唱スタイルは確立されている。泉アキの辞書に「省エネ」という言葉はないのだ。レインジャーズも好演。3rdシングルの3連ロッカバラード「ハートは泣いている」でも、強烈なボーカルが堪能出来る。マイナーのこのメロディーでも演歌的湿っぽさへと陥らないのがスゴい。「想い出の夕焼け」冒頭の台詞♪ひろしぃぃ〜〜! 好きだったのぉぉぉ〜〜〜!!♪も歴史に残る絶叫。

 69年4月「愛を下さいマリアさま」からフォノグラムへ移籍。GSの衰退にともなって、彼女の曲調もそれまでの典型的なGS歌謡から徐々に変化していく。島倉千代子「愛のさざなみ」を思わせる「夕陽がまぶしい」は、タンバリンや女声コーラスが刻むバックビートのリズムが可愛らしい佳曲。B面の「黄色いひなぎく」もフレンチポップスに通じるメロディーで、さすがにボーカルは抑え気味。「ホット・パンツ」は外国曲のカバー。泉アキ以降、シェリー(70's)→ヘレン笹野(80's)→鈴木蘭々(90's)→現在の木村カエラへと連なる、ハーフorバタ臭顔ガールシンガーの系譜の源流となる見事なキューティーポップ!

 泉アキという特異な存在については、88年の『夢のアルバム』というソリッドレコードのオムニバスアルバム(歌謡曲ファン必聴)で教えてもらった。この中で泉アキは、なんとファントムギフト(ネオGS!)を従え同等に渡り合い、アフロ・ロックで強烈なボーカルを披露している。このレコードプロデューサーは、当時SFC音楽出版の高護氏。今回、クラウン音源のゴールデン☆ベスト化においても、監修者としてまたそのお名前を拝見することとなりました。多謝。


01. 恋はハートで/泉アキ&ザ・レインジャーズ
(作詞:なかにし礼/作曲・編曲:三木たかし)
02. 燃える年頃/泉アキ&ザ・レインジャーズ
(作詞:なかにし礼/作曲:三木たかし)
03. 夕焼けのあいつ
(作詞:平井一郎/作曲:高瀬タカシ/編曲:森岡賢一郎)
04. これが恋かしら
(作詞:平井一郎/作曲:高瀬タカシ/編曲:森岡賢一郎)
05. ハートは泣いている(作詞:なかにし礼/作曲・編曲:三木たかし)
06. 恋の砂浜(作詞:なかにし礼/作曲:三木たかし)
07. 想い出の夕焼け
(作詞:植田次郎/作曲:星野いづみ/編曲:森岡賢一郎)
08. あなたの瞳(作詞:植田次郎/作曲:星野いづみ/編曲:森岡賢一郎)
09. 愛を下さいマリアさま(作詞:林春夫/作曲:鈴木邦彦/編曲:川口真)
10. 青い蝶々(作詞:橋本淳/作曲・編曲:鈴木邦彦)
11. 夕陽がまぶしい(作詞:阿久悠/作曲:鈴木邦彦/編曲:川口真)
12. 黄色いひなぎく(作詞:阿久悠/作曲:鈴木邦彦/編曲:川口真)
13. 本命はあなた!(作詞:なかにし礼/作曲・編曲:川口真)
14. キッスだけでやめて(作詞:なかにし礼/作曲・編曲:川口真)
15. ホット・パンツ
(作詞:なかにし礼/作曲:P.ヴァンス-L.ポクリス/編曲:高見弘)
16. あなただけみつめて(作詞:並木六郎/作曲・編曲:三木たかし)