いしだあゆみ・しんぐるこれくしょん
コロムビア(COCP-32665〜66)
\3500
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2004.4.21発売

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・コロムビア在籍時シングルA面全曲収録の2枚組み

・アルバム『アワー・コネクション』(DISC 2の#11〜#22)全曲収録

・アルファ音源「赤いギヤマン/波になって」、ソニー音源「羽衣天女」収録

・オリジナルマスターによる高音質マスタリング

・ブックレットはカラージャケ写、ディスコグラフィーを掲載。解説:鈴木啓之


 NHK朝の連ドラ「てるてる家族」はサイコーでした。石原さとみのうまさに目を奪われ必要以上に感情移入してしまい、宮川先生のメローなBGMに条件反射で涙腺が緩むようになっていた……。上原多香子演じる、“岩”田夏子のモデルが、いしだあゆみだったのだけど、感心したのは「ブルー・ライト・ヨコハマ」のヒットに到るまでを丁寧に描いていたこと。曲が誕生する際のエピソードでは、「今度のは和製ポップスでもない、歌謡曲でもない妙に新鮮な曲なんです……」とシッカリ語らせていたし。

 そう、1968年暮れに出た「ブルー・ライト・ヨコハマ」こそが近代的歌謡曲第一号なのである。60年代の歌謡界で主流だったカバーポップスでも、青春歌謡でも、グループサウンズでもでもない音楽。とはいえより日本人に親しみやすくどこかモダンな旋律で、コンテンポラリーなサウンド、歌詞は意味より言葉のノリを重視しながらも自立した個の視点で描かれている……。この曲のミリオンセラーをきっかけに旧来型の歌謡曲には後戻り出来なくなってしまったのは明らかでしょう。いしだあゆみは、70年代に歌謡曲がポップスとして大きな隆盛を迎える契機となった重要な歌手だったのです。

 だから、本盤DISC 2に全曲収録された『アワー・コネクション』をソフトロック的視点で評価するだけのいしだあゆみ評には辟易しますね(これはこれでおさえておきたいアルバムだけど、普通はまずユーミンや小坂忠を聴くってもんだよ)。ティン・パン・アレー(キャラメルママ)の意外な起用は、『雪村いづみスーパー・ジェネレーション』を以ってしてのことでしょう。

 普及価格でシングルを網羅したベストはこれが初。こうして並べて聴くとやはり京平作品の出来が抜きん出てます(B面の京平作品も取りこぼしたくないという方は、98年に出た『いしだあゆみ 筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス』を押さえていただければ完璧)。「ブルーライト……」前の2曲はやはり方向性を探っているという感じか。「太陽が泣いている」は一人GSの範疇。「何があなたをそうさせた」「さすらいの天使」「待ちわびても」あたりの癒し系バラードもいいけど、「おもいでの長崎」のクールさ(最高!)、「生まれかわれるものならば」のコケットリーは彼女ならではのもの。「家路」はシンシア「想い出通り」に通じる作品。シンシア以降のアイドルポップスとの大きな違いは、歌詞の世界が本人よりかなり上の世代で、舞台が“夜”であること。加瀬邦彦作品は歌い手との相性がいまいち悪いような気がする。

 DISC 2に入って70年代中盤は女優の活動がメインになってきた頃。キャンディーズに名作がある喜多條=拓郎=馬飼野トリオの「今夜は星空」がさすがにいい味出してるのと、マイナーR&R「MILD NIGHT」の明快さが良いです。「赤いギヤマン」「羽衣天女」あたりはいかにも女優仕事って感じ。後者は酒井政利プロデュースで、明らかに前年のヒット曲「桃色吐息」のセン狙い。

DISC 1<1968〜1975>
01. 太陽は泣いている(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
02. ふたりだけの城(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
03. ブルー・ライト・ヨコハマ(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
04. 涙の中を歩いてる(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
05. 今日からあなたと(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
06. 喧嘩のあとでくちづけを
(作詞:なかにし礼/作曲:中村泰士/編曲:森岡賢一郎)
07. あなたならどうする(作詞:なかにし礼/作曲・編曲:筒美京平)
08. 昨日のおんな(作詞:なかにし礼/作曲:井上忠夫/編曲:森岡賢一郎)
09. 何があなたをそうさせた(作詞:なかにし礼/作曲・編曲:筒美京平)
10. 止めないで(作詞:なかにし礼/作曲:井上忠夫/編曲:森岡賢一郎)
11. 砂漠のような東京で
(作詞:橋本淳/作曲:中村泰士/編曲:森岡賢一郎)
12. おもいでの長崎(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
13. さすらいの天使(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
14. まるで飛べない小鳥のように
(作詞:橋本淳/作曲:中村泰士/編曲:高田弘)
15. 生まれかわれるものならば
(作詞:橋本淳/作曲:筒美京平/編曲:高田弘)
16. 愛愁(作詞:尾中美千絵/作曲:平尾昌晃/編曲:竜崎孝路)
17. 渚にて(作詞:阿久悠/作曲:中村泰士/編曲:森岡賢一郎)
18. 愛の氷河(作詞:阿久悠/作曲:井上忠夫/編曲:高田弘)
19. 幸せだったわありがとう
(作詞:なかにし礼/作曲:加瀬邦彦/編曲:高田弘)
20. 恋は初恋(作詞:なかにし礼/作曲:加瀬邦彦/編曲:森岡賢一郎)
21. 美しい別れ(作詞:なかにし礼/作曲:加瀬邦彦/編曲:森岡賢一郎)
22. 家路(作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平)
23. 待ちわびても(作詞:なかにし礼/作曲:筒美京平/編曲:森岡賢一郎)
24. 時には一人で(作詞:喜多條忠/作曲:筒美京平/編曲:森岡賢一郎)

DISC 2<1976〜1985>
01. とまどい(作詞:石原信一/作曲・編曲:あかのたちお)
02. ちょっと淋しい春ですね
(作詞:橋本淳/作曲:筒美京平/編曲:森岡賢一郎)
03. 港・坂道・異人館
(作詞:喜多條忠/作曲:大野克夫/編曲:馬飼野康二)
04. 今夜は星空(作詞:喜多條忠/作曲:吉田拓郎/編曲:馬飼野康二)
05. 大阪の女(作詞:橋本淳/作曲:中村泰士/編曲:小杉仁三)
06. MILD NIGHT(作詞:仲畑貴志/作曲:宇崎竜童/編曲:小野寺忠和)
07. マイルド・ロマン・ロック
(作詞:仲畑貴志/作曲:大野克夫/編曲:船山基紀)
08. 赤いギヤマン(作詞:岩谷時子/作曲:滝沢洋一/編曲:井上鑑)
09. 波になって(作詞:呉田軽穂/作曲:戸塚省三/編曲:井上鑑)
10. 羽衣天女(作詞:阿木燿子/作曲:中崎英也/編曲:井上鑑)
11. 私自身(作詞:橋本淳/作曲・編曲:細野晴臣)
12. ひとり旅(作詞:橋本淳/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・萩田光雄)
13. 六本木ララバイ(作詞:橋本淳/作曲・編曲:萩田光雄)
14. ダンシング
(作詞:橋本淳/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・萩田光雄)
15. バレンタイン・デー(作詞:橋本淳/作曲・編曲:萩田光雄)
16. 黄昏どき(作詞:橋本淳/作曲・編曲:萩田光雄)
17. 真夜中のアマン
(作詞:橋本淳/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・萩田光雄)
18. 哀愁の部屋(作詞:橋本淳/作曲・編曲:萩田光雄)
19. ウィンター・コンサート(作詞:橋本淳/作曲・編曲:萩田光雄)
20. そしてベルが鳴る(作詞:橋本淳/作曲・編曲:萩田光雄)
21. ムーン・ライト
(作詞:橋本淳/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・萩田光雄)
22. バイ・バイ・ジェット
(作詞:橋本淳/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・萩田光雄)